一年後に控えたWebアクセシビリティ義務化
デジタル庁が掲げるミッション「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」の実現に向けて、耳にすることが多くなった
「ウェブアクセシビリティ」
総務省が「みんなの公共サイト運用ガイドライン」を策定し、2016年に国や自治体に対して義務化された取組みです。そして、「障害者差別解消法」が改正されたことで、その公布日である2021年6月4日から起算して3年以内に、民間企業でも対応することが義務化されることになりました。
公的機関の情報発信は人の命に関わることもあるだろう、と重要性が認識できるが、一般企業において「ウェブアクセシビリティ」を怠った場合はどうだろう。
例えば、ECサイトで割引クーポンを配布したとします。クーポンは代替えテキストのない画像だったため、視覚障害の方は、十分な情報を得られず、恩恵を受けられなかった、などという訴訟のリスクが今後は民間企業でもありえるのです。
視覚に障害がありホームページの閲覧が難しい、聴覚障害があり音声情報だけでは動画から十分な情報を得られない、手が不自由でマウス操作が難しい、など「高齢者や障害者を含め、誰もがホームページ等で提供される情報や機能を支障なく利用できること」とするのがウェブアクセシビリティ。
ホームページが誰にも読みやすい配色になっているか、デザイン上の理由で文章が前後し、音声データでは理解できないコンテンツになっていないか、自動再生アニメーションにより理解に集中できい構成ではないか、などアクセシビリティは多岐に渡ります。
そのため「どこから手を付けたらいいのか」と戸惑う方に、手軽に体感していただけるのは、スクリーンリーダです。
Windowsでは「ナレーター」MacではVoiceOverという機能が標準搭載されており、ホームページのコンテンツを音声で聞くことができます。
その他にもシステムに、音声コントロールやキャプションなど様々なアクセシビリティ機能が搭載されています。ですので、これからは、これらのサポート機能に対応したホームページの構築が必要となります。
国際的なWebアクセシビリティのガイドライン
「Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0」
の名前は聞いたことがあるかもしれません。
日本国内では、ほぼ同等の内容の「8341(やさしい)」と語呂合わせをしたJIS規格「高齢者・障害者等配慮設計指針 ―情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス― 第3部:ウェブコンテンツ」(JIS X 8341-3)が定められています。
まずは、デジタル庁のウェブアクセシビリティ導入ガイドブックに目を通してみると良いでしょう。
https://www.digital.go.jp/resources/introduction-to-web-accessibility-guidebook/