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CentOS8の代替を検討する

CentOS Linux 8のEOL(End of Life) まで、あと半年となりました。
2021年末でサポートは終了し、2022年以降からはパッケージの新しい更新は受けられず、セキュリティ修正なども行えない状況となります。CentOS8の代替となるOSについて、少し紹介したいと思います。

CentOS8 終了のお知らせ

昨年末(2020年12月)に、CentOS Projectより、CentOS8が2021年末で終了するという発表がされました。
公式サイトのアナウンス内容はこちら 
https://blog.centos.org/2020/12/future-is-centos-stream/
redhatからの説明はこちら
https://www.redhat.com/en/blog/faq-centos-stream-updates#Q1

この発表の前まで、CentOS8は2029年5月31日までサポートすると表明していたのですが、これが2020年12月31日へ突然変更された形です。

CentOS6のEOL(2020年11月30日)に備えてCentOS8へ乗り換えを始めたユーザが多くいた矢先の出来事で、業界に大きな衝撃が走りました。CentOS7には変更はありませんが、2024年6月で終了します。また、CentOS9以降のリリースはありません。CentOS Projectは、今後はCentOS Streamに注力していくかたちとなり、CentOS Streamへの移行を推奨する立場をとっています。

Fedora系列のディストリビューションの関係性

下記で詳しく書かれています。

Fedora、CentOSはredhatがスポンサーをしているOSSコミュニティのプロジェクトです。

CentOS Stream登場前までは、最先端の機能を導入・テストするのがFedoraで、RHELへ取り込む新機能はまずFedoraでテストが行われ、安定したものがRHELとして商用リリースされます。このRHELのソースから商標や有償アプリケーション等をのぞき無償で利用できる様にしたものがCentOSでした。

CentOS StreamはRHELとfedraの中間に位置するものであり、RHELに導入される前のパッケージをテストする側面を持っています。このため、従来のCentOSとは異なった立ち位置となり、安定性といった面で不安が残ります。

CentOS8の代替となるOS

あの衝撃の発表から半年がたちました。CentOS8のEOLも間近に迫り、別のディストリビューションへの移行対応が急務となります。EOLを迎えると脆弱性が出ても修正されませんので、きちんとメンテナンスされるものへの移行が推奨されます。
移行先候補と言われるディストリビューションも増えており、RHEL8互換のOSも現在はいくつもあります。(下記以外にも複数存在しています)

  • Red Hat Enterprise Linux 8( https://www.redhat.com/ja/enterprise-linux-8)
  • CentOS Stream 8( https://www.centos.org/centos-stream/)
  • Oracle Linux 8( https://www.oracle.com/jp/linux/)
  • RockyLinux( https://rockylinux.org/ja/ ※現時点でまだRC版 2021/6/21にリリースしました)
  • AlmaLinux( https://almalinux.org/ )

RHEL互換OS以外は次のとおり(代表的なもの)

  • Ubuntu ( https://www.ubuntulinux.jp/ )
  • Debian GNU/Linux ( https://www.debian.org/ )
  • openSUSE ( https://www.opensuse.org/ )

CentOS Projectからの発表直後は、RHEL互換OS以外へ切り替えるというユーザも多くみられました(CentOSProjectのブログではUbuntuへいくと言われている方が多かった)が、学習コスト面での負担も大きいため、RHELクローンへの乗り換えを検討する方がやはり多いように思われます。

CentOSが終了した背景には、企業の意向が絡んでいると言われている為、どのディストリビューションを選択するべきかはかなり悩むところとなります。(お金があるプロジェクトであれば、RHELを利用するのが一番だと思います。)
現在乗り換え候補として注目されている RockyLinux・AlmaLinuxは、CentOS方針変更の発表をうけて発足したプロジェクトによりつくられた無償利用可能なディストリビューションです。

Rocky Linuxは現時点でRC版です。※2021年6月21日にRocky Linux 8.4リリースを発表しました。
AlmaLinux は 2021年3月30日にリリースされ、その後RHEL8.4互換のAlmaLinux8.4も2021年5月26日に順調にリリースされています。
対応スピードが速い点で、AlmaLinuxの方が現在一歩リードといったところでしょうか。
先日、AlmaLinuxを試しにインストールして使ってみましたが、確認した範囲ではCentOS8とほとんど変わりなく使う事が出来ました。

ちなみに、Oracle Linux も 2021年5月26日に Oracle Linux 8.4をリリースしています。
こちらも乗り換え候補として有力なものの1つと思われます。

各ディストリビューションの今後の動向に関してはこれからも注視していきたいと思います。

また、各ディストリビューションそれぞれの詳細についても、今後ご紹介していければと思います。